
「ミス富山」は、二代目瀧澤光龍斎の作で、着物には八重桜の紋があしらわれています。
ケンタッキー州ルイビルのスピード博物館に寄贈され、現在も同館に所蔵されています。
ルイビルはオハイオ川沿いに位置する都市で、1937年には市の約70%が水没する壊滅的な洪水に見舞われました。スピード博物館も被害を受け、収蔵庫の一部が浸水し、多くの収蔵品が失われました。「ミス富山」もこのときの洪水で失われたものと考えられていました。
しかし1992年、奇跡的に、アメリカ製の旅行用トランクに入ったままの状態で博物館の地下収蔵庫で発見されました。さらに調査を進めた結果、別の箱の中から、お道具類のほとんどが丁寧に梱包された状態で見つかりました。いずれも水に濡れており、修復に多大な作業を要しました。
現在、「ミス富山」は1927年の製作当時と変わらぬ美しさを取り戻し、展示台と提灯を除くほぼすべてのお道具類とともに保存されています。