
「ミス東京府」は二代目瀧澤光龍斎の作で、東 京子と名付けられました。着物には上り藤の紋があしらわれています。
「ミス日本」および六大都市の答礼人形の製作は、京都の面屋岡本庄次郎(十二世面庄)に一任されましたが、その都市を有する府県の代表人形も慎重に選ばれました。「ミス東京府」は、口をわずかに開けた精緻な作りの人形です。同じく「ミス兵庫」も光龍斎による作品です。「ミス神奈川」は岩村松乾斎によって、「ミス愛知」「ミス大阪府」「ミス京都府」は、いずれも平田郷陽(二代)によって製作されました。
記録によると、「ミス東京府」は当初ヴァージニア州リッチモンドの公共図書館児童室に寄贈される予定でした。しかし、実際には同州のYWCAに寄贈されたとされ、その後図書館に正式に移管されたかは不明です。
残念ながら、ヴァージニア州に贈られた答礼人形は現在も所在不明です。リッチモンドでの展示や保管状況を示す写真資料も一切確認されておらず、実際にどの人形がバージニアに寄贈されたのかも分かりません。
しかし、ペンシルバニア州フィラデルフィア市のアーカイブに保存されている鮮明な記録写真により、もともと「ミス東京府」として製作された人形が、フィラデルフィアに「ミス佐賀」として寄贈されていたことが判明しています。