
「ミス群馬」は二代目·瀧澤光龍斎の作で、上野絹子と名付けられました。着物には桜の紋があしらわれています。
人形は1929年初頭にニューヨークのブルックリン美術館に寄贈されました。同年発行の『Brooklyn Museum Quarterly』に掲載された写真には、人形の着物の文様やお道具類の紋がはっきりと写っています。
しかし1988年、東京で開催される展覧会への出品準備中に、お道具類や贈り物を残して、人形本体が美術館からなくなっていることが判明します。
その後、2009年にフロリダ州マイアミの業者がEbayに「大きな日本人形」とだけ題して出品した人形を、マレーシアのクアラルンプールに住んでいたコレクターが購入します。届いた人形の大きさと品質から、これは答礼人形かもしれないと考えた購入者が、人形の着物を脱がせたところ「東京卸商人形商組合」のラベルを発見し、この人形が失われていた「ミス群馬」であることが判明しました。さらに記録写真との照合により、この人形は本来「ミス鳥取」だったことも判明しました。
アラン·スコット·ペイト氏は2016年に現地を訪れてこの人形を購入し、日本で保存修復と欠損していた右袖の復元を行いました。
その後、人形はアメリカに戻り、2017年にフロリダ州デルレイビーチのモリカミ美術館·日本庭園に収蔵されました。