
「ミス朝鮮」は、かつて日本の統治下にあった朝鮮半島を代表する人形で、朝鮮花子と名付けられました。作者は豊龍斎です。着物の紋は中陰五三の桐です。
1928年、「ミス朝鮮」はコネチカット州のハートフォード市児童博物館に寄贈されましたが、その後の記録はほとんど残っておらず、1997年に同館で再発見されるまで一般に公開されることはありませんでした。その間に博物館はコネチカット科学センターに改組されており、日本の人形は館の趣旨にそぐわないとして、2013年にインディアナ州のバルパライソ大学にあるブラウアー美術館に移され、同館の所蔵品となりました。
かつての植民地を代表しているという背景から、「ミス朝鮮」の答礼人形としての位置づけにはやや複雑な面があります。ブラウアー美術館はこの課題に配慮する試みのひとつとして、人形の当初の着物に加えて、着替えとして韓国の伝統衣装であるハンボク衣装を新たに製作しました。
「ミス朝鮮」の収蔵を記念して開催された『太陽はすべての人に輝く:日本の答礼人形たち』展(バルパライソ大学ブラウアー美術館、2015)では、「ミス朝鮮」とともに「ミス大阪府」「ミス高知」「ミス岐阜」「ミス福岡」が展示されました。